静電誘導発電機2(オリジナル静電誘導発電機)

オリジナル静電誘導発電機
静電誘導発電機2号機です。
今回は、オリジナルの静電誘導発電機です。
静電誘導発電機とは
分極

静電誘導
  • 中性の導体には、+と-が、ほぼ同数存在しています。(状態1)
  • そこに、+、または、-に帯電した物体が近づくと、導体中の反対の電気が引き寄せられます。(状態2)
  • その状態で、導体を切断すると、帯電した導体2つが得られます。(状態3)
静電誘導と呼ばれる この現象を利用して、発電を行うのが、静電誘導発電機です。
静電誘導発電機には、ウイムスハースト静電発電機(Wimshurst electrostatic generator)や、ケルビン発電機などがあります。
ダイロッド静電発電機(dirod electrostatic generator)
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ダイロッド静電発電機
発電の原理
円盤には、灰色で示したアルミ棒が貼り付けてあり、左回りに回転します。
中心にある青の線はブラシで、これは、回転せず固定され、図の位置に来たアルミ棒に接触します。
黄色と赤色は、アルミの板で、青い線で示した電線で接続されています。
  1. 黄色の板とアルミ棒の部分について。左右に位置する帯電した板により、電荷を持たなかった灰色のアルミ棒の左右に電気が誘導されます。
  2. 円盤が回転し、ブラシと離れることにより、アルミ棒は電気を帯びたままになります。
  3. 赤色の板に、帯電したアルミ棒が接触すると、電気が板に移ります。これには、電荷は表面に現れるという性質を利用します。
  4. 1~4の動作により、黄色の板には、最初よりも多くの電気が溜まります。それにより、灰色のアルミ棒に誘導される電気も増加します。この繰り返しにより、加速的に発電量が増えていきます。

詳細は、静電誘導発電機をご覧ください。

特徴
  • 電気を誘導する部分(黄色の部分)に多くの電気が溜まりますので、誘導される電気が多くなると考えられます。
  • 電気は、誘導する部分(黄色の部分)から取り出しますので、一度、電気を使ってしまうと、また、ゼロから電気を蓄えていく必要があります。
  • 電気の取り出し方や、発電機のしくみによっては、+-の極が逆転することがあるそうです。もしかすると、交流を発電できるかもしれません。
改造
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ダイロッド静電発電機の改良
 
ダイロッド静電発電機を2台用意し、図のように接続すると、発電量が増すそうです。
右側の発電機は、誘導子に電気を供給するために使われます。左側の発電機の赤い部分から電気を取り出します。
1台の場合、電気を誘導する部分(黄色の部分)と、取り出す部分(赤い部分)が繋がっていたため、電気を取り出すと、誘導する部分の電気も出て行ってしまったのですが、2台を繋ぐと、誘導する部分の電気を保持したまま、電気を取り出すことができます。
これにより、1台より、多くの電気を発電できます。

単純に、2台を繋いでも、発電量が2倍になるように思いますが、実験を行っていないため不明です。

ウイムスハースト静電発電機(Wimshurst electrostatic generator)
ウイムスハースト静電発電機

ウイムスハースト静電発電機の原理
発電の原理
左図は、円板に、扇状(細長い楕円)のアルミ板が貼り付られた図です。
右図は、その円板が表裏に2枚配置されている様子を、やや斜めから見た図です。表の円板は実線、裏の円板は点線で示しています。表の円板は左回りに、裏の円板は右回りに回転します。
緑の太線は、ブラシで、アルミ板に触れています。裏側にも同様にブラシがあり、点線で示しています。
黄色の線は、電気の取り出しで、左にマイナス、右にプラスが出力されます。ただし、どちらがプラスで、どちらがマイナスになるかは、状況により異なります。
右図のaの部分に、注目します。
裏の円板にあるアルミ板に、プラス(赤)の電荷があるとします。
すると、表の円板のアルミ板には、マイナス(青)の電荷が誘導されます。
円板は、左に回転していますので、マイナスの電荷を持ったアルミ板は、bの位置にきます。
bの位置では、表の円板のアルミ板の持つマイナスの電荷により、裏の円板のアルミ板にプラスの電荷が誘導されます。更に回転し、表のアルミ板の電荷は、取り出し部分から取り出されます。
裏の円板は、右に回転していますので、bの位置で、プラスの電荷を持ったアルミ板は、aの位置にきます。
このアルミ板により、表のアルミ板にマイナスの電荷が誘導され、これが繰り返されます。また、同様に、下半分でも、電気が作られます。
最初の電荷に関しては、空間には電荷のわずかなむらがあり、それが最初のタネになります。
最初のタネが静電誘導を起こして、新たな電荷を生み、それが、また、電荷を生むというように、ねずみ算式に増えていくのが、ウイムスハースト静電発電機の原理です。
しかし、この説明では、ねずみ算式に増えていく理由がわかりません。
aやbの部分で、静電誘導により、タネとなる電荷より多くの電荷が誘導されるというのは、この説明だけでは、不十分だと思います。どなたか分かる方がいらっしゃれば、掲示板に解説していただけると嬉しく思います。
特徴
  • 2枚の円板を持ちます。
  • 円板に取り付けられたアルミ板が、電荷を誘導する役目と電荷を運ぶ役目をこなします。
  • 電気は、電荷を運ぶ部分から取り出すため、次の静電誘導も高い電圧の状態を保つことができます。
オリジナル静電誘導発電機
放電実験
堅苦しい説明が続き、嫌気が刺す頃だと思いますので、まずは、以下の動画をご覧ください。
静電誘導発電機2号機タイプ2(オリジナル静電誘導発電機)の放電の様子です。
wmvファイルにして、画質を落としたため、あまり、目立ちませんが、放電の部分の映像は、上の3分の1ほど色が変わっています。映像が乱れているのは、古いビデオカメラが壊れているのだろうと考えていたのですが、放電しているときに発生するため、静電気の影響とも考えられます。ビデオカメラを発電機を置いたテーブルに置くと、カメラが誤動作を起こし、撮影できなくなることも2回ありました。発電機を動かす場合、精密機器を、近くに置かないように注意しましょう。
映像の最初は、発電機の外観です。なかなか美しいでしょう。(笑)
次は、平面コンデンサを接続した状態での放電です。強力な放電が起きているのが、よく分かると思います。
放電が小さくて、気づきにくい映像の部分は、平面コンデンサを外し、発電機のみの場合です。放電も音も小さくなっていて、何も起きていないように見えますので、注意してみてください。
最後は、再び、平面コンデンサを接続した映像です。電池を交換して、発電機が元気に回っているときの映像だったかもしれません。
平面コンデンサを接続した状態では、あまり、違いは感じません。映像では、放電の間隔に違いがあるように見えますが、これは、玉ギャップの隙間の大きさの違いによるものだと思います。ただ、2号機の放電間隔は、不規則な感じがします。
平面コンデンサを接続しない状態では、放電の間隔に違いがあるように感じます。1号機に比べ、放電の間隔が短く、ほぼ、連続して放電しているように感じます。
放電の様子から感じるのは、最大電圧は1号機が上で、発電の安定性は2号機が上ではないかということです。2号機の安定性は、装置の精度が良いことと、発電原理の違いからくるものだと考えられます。
発電の原理
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オリジナル静電誘導発電機
オリジナル静電誘導発電機は、ダイロッド静電発電機の12枚のアルミ板の内、2つを、誘導子に電気を溜めるために使い、残りを電気の取り出しに使う構造になっています。
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円板
左は、円板を取り出した写真です。
これにより、発電機から電気を取り出しても、誘導子には電気が残るため、次の静電誘導も高い電圧で行うことができます。
円板は、左回りに回転します。aのアルミ板2枚が、誘導子に電荷を溜めるために使われます。この2枚が、Aの位置に来ると、ブラシに接触して、裏の誘導子(大きなアルミ板)に電荷が移ります。他のアルミ板は、形状が異なるため、Aの位置では、ブラシに接触しません。
アルミ板が、Bの位置に来ると、発電機の出力用のブラシに接触して、電気が出力されます。
電気誘導の方法は、ダイロッド静電発電機の構造と同じであり、電気の取り出し方は、ウイムスハースト静電発電機の構造と同じであることがわかると思います。ダイロッド静電発電機を2台接続した場合の構造を1台で実現したといえます。
オリジナル静電誘導発電機による発電方法の比較
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発電機の構造
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発電機の円板
 
静電誘導発電機2号機(オリジナル静電誘導発電機)では、誘導する板から電気を取り出す方法(ダイロッドタイプ)と、キャリア(円板上のアルミ板)から電気を取り出す方法(ウイムスハーストタイプ、オリジナルタイプ)を簡単に切り替えられるようにしました。
図について、簡単に説明します。円板の上には、アルミの板があり、円板は回転しています。アルミの板の内、2枚だけは、外側に舌を伸ばした形状(右図のa)になっていて、端子1に接触するようになっています。円板の裏側には、大きなアルミの板があり、この板に電気が蓄えられ、円板の上のアルミ板に電気が誘導されるようになっています。端子2は、この大きなアルミ板に繋がれています。
端子1は、円板上の2枚だけが接触する。
端子2は、電気を誘導するための板への接続されている。
端子3は、円板のアルミ板、全てに接触して、電気を取り出す。
1.誘導する板から電気を取り出す方法(ダイロッドタイプ)
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ダイロッドタイプ
この方法では、端子2と端子3を接続します。電気は端子3から取り出します。
端子3では、電気の出力と同時に、裏のアルミ板に電気が蓄えられます。ただし、この形状では、裏のアルミ板に電気が移る効率が悪いかもしれません。
2.新方式(オリジナル静電誘導発電機)
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オリジナル方式
この方法では、端子1と端子2を接続します。電気は端子3から取り出します。
円板上のアルミ板の内、2枚の電荷が裏のアルミ板に移り、電気が蓄えられます。残りの板は、出力専用となります。
比較
球ギャップで、様子を見たところ、2の方が、放電回数が多く、強い放電が発生します。また、ネオン管の球ギャップでは、明らかに、2の方が明るく光ります。
次に、出力に直接、ネオン管を繋いで見ました。1では、光りません。2では、光ります。1で光らないのは、誘導子(裏のアルミ板)に電荷が溜まる前に、ネオン管を通して電気が流れるため、あるいは、単に出力が弱いためと思われます。
両方をコンデンサに接続し、球ギャップで放電の様子を見ると、2の方が電圧が高く、放電の回数も多いようです。
この結果を持って、新方式が優れていると結論付けるわけにはいきませんが、両者の特徴が良く分かると思います。
文献他
ホームページ
Dirod Electrostatic Generators
文献

「静電気の話」(A.D.ムーア)
Electrostatics: Exploring, … 静電気の話の原著
Homemade Lightning: Creative Experiments… ウィムスハースト発電機の作り方
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