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ウイムスハースト静電発電機(Wimshurst electrostatic generator)
作成日:2004/11/22   更新日:2004/11/22
ウイムスハースト静電発電機
ウイムスハースト静電発電機(Wimshurst electrostatic generator)の製作

ウイムスハースト静電発電機の原理
ウイムスハースト静電発電機の原理
ウイムスハースト静電発電機の原理

発電の原理
 左図は、円板に、扇状(細長い楕円)のアルミ板が貼り付られた図です。
 右図は、その円板が表裏に2枚配置されている様子を、やや斜めから見た図です。表の円板は実線、裏の円板は点線で示しています。表の円板は左回りに、裏の円板は右回りに回転します。
 緑の太線は、ブラシで、アルミ板に触れています。裏側にも同様にブラシがあり、点線で示しています。
 黄色の線は、電気の取り出しで、左にマイナス、右にプラスが出力されます。ただし、どちらがプラスで、どちらがマイナスになるかは、状況により異なります。

 右図のaの部分に、注目します。
 裏の円板にあるアルミ板に、プラス(赤)の電荷があるとします。
 すると、表の円板のアルミ板には、マイナス(青)の電荷が誘導されます。
 円板は、左に回転していますので、マイナスの電荷を持ったアルミ板は、bの位置にきます。
 bの位置では、表の円板のアルミ板の持つマイナスの電荷により、裏の円板のアルミ板にプラスの電荷が誘導されます。更に回転し、表のアルミ板の電荷は、取り出し部分から取り出されます。
 裏の円板は、右に回転していますので、bの位置で、プラスの電荷を持ったアルミ板は、aの位置にきます。
 このアルミ板により、表のアルミ板にマイナスの電荷が誘導され、これが繰り返されます。また、同様に、下半分でも、電気が作られます。

 最初の電荷に関しては、空間には電荷のわずかなむらがあり、それが最初のタネになります。
 最初のタネが静電誘導を起こして、新たな電荷を生み、それが、また、電荷を生むというように、ねずみ算式に増えていくのが、ウイムスハースト静電発電機の原理です。

 しかし、この説明では、ねずみ算式に増えていく理由がわかりません。
 aやbの部分で、静電誘導により、タネとなる電荷より多くの電荷が誘導されるというのは、この説明だけでは、不十分だと思います。どなたか分かる方がいらっしゃれば、掲示板に解説していただけると嬉しく思います。

特徴
  • 2枚の円板を持ちます。
  • 円板に取り付けられたアルミ板が、電荷を誘導する役目と電荷を運ぶ役目をこなします。
  • 電気は、電荷を運ぶ部分から取り出すため、次の静電誘導も高い電圧の状態を保つことができます。


製作1
ウイムスハースト静電発電機を組み立ててみました。手で回すと、球ギャップで、5mm以上の間隔で放電します。しかし、まだまだ、未完成です。
問題点
  • モーターの力と、円板を回す力について計算しなかったため、モーターでは回りません。回転数を上げるために、プーリーの比を厳しくしたのが失敗でした。
  • 写真のように、2つの円板がくっつくため、回転させるには、かなりの力が必要です。
板の接触
板の接触

観察
 最初に、手で回してみると、それほど重くはないのですが、発電されるにつれ、次第に重くなっていきます。最初、2枚の円板には、1mm程度の隙間があるのですが、電気が溜まってくると、接触し、それが抵抗となります。円板のPETに強度が足りないため、元々、たわみがちなのが、更に悪化してしまいます。
 電気が引き合う力が強くなるために回転しにくくなるとも考えられますが、まずは、2枚の接触をなんとかしなければ、そのあたりは分かりません。
 球ギャップの距離を、更に広げていくと、発電機内部のどこかで、放電している音が聞こえてきました。このあたりにも改良の余地がありそうです。

製作2(中間完成)
 円板部分が、PET材の大きな物の場合、様々なアルミ板の形状を試すのに手間が掛かるため、円板をCDに代えてみました。
ウイムスハースト静電発電機 中間完成1
ウイムスハースト静電発電機 中間完成1
ウイムスハースト静電発電機 中間完成2
ウイムスハースト静電発電機 中間完成2

発電の様子
改良点など
  • PETの大きな円板を、小さなCDに代えました。
  • プーリを作り直し、プーリ比を変えることで、モータで回せるようになりました。
観察
 円板が小さく、軽くなり、また、プーリ比を変えて、モーターへの付加を軽減したため、マブチモーターを使って発電させることができました。  冬場へ向かい、静電気の実験に向いた季節になってきたためか、球ギャップの放電間隔が5mm以上で安定して放電します。球ギャップの間隔を、これ以上にすると、発電機自身のどこかで放電してしまうようで、発電機から、バチバチという音が聞こえてきます。
文献他
文献
タイトル説明
Homemade Lightning: Creative Experiments... ウィムスハースト発電機の作り方

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