不思議な物

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2004/05/10 コンデンサのパワーアップについて

 今回の実験では、コンデンサのパワーアップが必要だと判断したのですが、その理由を説明したいと思います。

 電荷Q[C]、電圧V[V]、静電容量C[F]の関係は、次の式で表せます。
Q=CV ・・・1式

 また、静電容量C[F]は、誘電率ε、極板距離l[m]、面積S[m 2 ]を用いて、次のように求められます。
・・・2式

 2式より、平面コンデンサの静電容量は変化しませんから、1式より、電圧と電荷は比例するといえます。つまり、電圧と電荷の、どちらかを測定すれば、発電機の発電能力を比較できるわけです。

 発電機は、平面コンデンサに、少しずつ電荷を送り込んでいるといえます。平面コンデンサに注目すると、時間が経つにつれ、徐々に電荷が増えていきます。そして、一定の電荷量(あるいは電圧)に達したとき、玉ギャップに放電が発生します。
 この様子を、おけの水に例えると、おけ(コンデンサ)には、コップで水が注ぎ足されています。水が一定の高さに達すると、底が抜けて、中の水が流れ出します。


 グラフに表すと、たぶん、次のようになると考えられます。(オリジナルタイプ、平面コンデンサ有)
 Aのポイントまでは、電圧は、曲線で上昇します。これは、静電誘導による発電により、ねずみ算式に電圧が上昇するためです。Aを過ぎると、放電が発生するBのポイントまでは、一定の上昇率になるのではないかと考えています。私は、ダイロッドタイプでは、この部分はなく、ウイムスハーストタイプや、私のオリジナルタイプでは、この部分があるのではないかと推測しています。また、コンデンサを繋がない場合も、この部分はないと思います。Bのポイントに達したとき、玉ギャップに放電が発生し、両端の抵抗値が0に近くなり、電気が流れ、一定の電圧まで落ちます。
 また、発電のしくみを考えると、グラフを拡大してみたとき、階段状になっていると思われます。
 発電のしくみや、コンデンサの有無で、グラフは異なってくると思いますが、基本的に、こんな感じでしょう。

 小さなおけだと、すぐに水が流れ出してしまうため、あふれる回数が多くなりますが、大きなおけなら、あふれる回数が少なくなると考えて、コンデンサを大きなものに変更したのです。

 あとがき
 今回の説明は、大雑把なもので、私の考えを正確に表現したものではありません。電気は空気中に逃げていきますし、グラフは電圧と電荷の違いについて、あいまいな説明になっています。参考程度に考えてください。
 例えは、鹿威(ししおどし)の方が分かりやすいのですが、鹿威自体を説明する必要がありそうなので、桶にしました。トイレのタンクでも良かったのですが、下品かなと。ちなみに、図のような機能を持った桶は、サイホンの原理を使えば作れます。それが、どこにあるかは、いうまでもないでしょう。(笑)
 次回は、息抜きに、おもちゃでも作ってみようかと思います。(笑)

2004/05/03 実験結果

 静電誘導の実験です。
 最初に、発電機のキャリア部分のアルミ板が1枚の状態で、1分間に、どれだけの放電が発生するかを調べます。次に、2枚の状態を実験し、データを比較することで、静電誘導の疑問のひとつに結論を出したいと思います。

枚数 放電した時間(秒) 放電回数
1 6,11,16,22,27,33,38,44,50,55 10
2 - -
 1回目の実験では、2枚にした場合に、放電が起きませんでした。玉ギャップの間隔を狭くして、もう一度、実験です。今度は、2枚を最初に実験し、次に1枚を実験しました。
枚数 放電した時間(秒) 放電回数
2 2,4,7,9,11,13,16,18,21,23,25,28,30,32,35,37,40,42,45,48,50,52,55,57,59 25
1 2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22,24,26,28,30,32,34,36,38,40,42,44,46,48,50,52,54,56,58 29

 この結果、1枚の方が2枚より放電の回数が多いことがわかります。2枚の方がブラシの接触抵抗が多くなりますから、その影響で2枚の放電回数が減ったのではないでしょうか。ブラシの抵抗が同じであれば、ほぼ同じになるのではないかと考えられます。
 今回の実験の場合、2枚目は、1枚目に貼り付けているため、純粋に厚さが2倍になったわけではありません。粘着部分の絶縁層を挟んだ2層構造であることや、2枚の接触が、あまり、よくないだろうということを考えると、単純に、1枚も2枚も同じと結論づけるわけにいきません。しかし、この実験から得られた結果は、1枚も2枚も変わらない。つまり、静電誘導に厚さは関係なさそうであるといえます。言葉を選んでいることに注意してください。(笑)

 考察
 静電誘導により、誘導される電気が何に影響されるのか。以下の説を考えていました。
・形状、面積(射影)、体積に関係なく、同じ。
・面積(射影、断面積)が影響する。
・表面積が、影響する。
・体積が影響する。

 このうち、今回の実験結果より、体積の影響はないと考えられます。ただし、体積が変わると、表面積が変わるので、全く影響がないということでもないと思います。
 今回の実験により、発電機のキャリア部分は、アルミホイルのような薄いものでも、多少厚いものでも、変わりないということが分かりました。では、どのようにすれば良いのか、また、考えてみたいと思います。

 あとがき
 この結果は、ある程度、予測していたとおりのものでした。しかし、実験してみることに意味があります。予測が当たって、残念です。(笑)

2004/04/26 平面コンデンサ2

 カードケースを使った平面コンデンサを製作しました。
カードケース  平面コンデンサ2
 100円ショップで入手した、おそらく塩ビ製と思われるカードケースを2枚、使います。中には、紙が挟んであるのですが、紙の代わりに、アルミホイルを入れます。電気を取り出す板をアルミ部分に入れ、2枚を重ねるだけで完成です。

 発電機を動かすと、中のアルミがくっついていく様子がわかります。最初、玉ギャップの間隔を広めにしていたたため、放電は起きませんでしたが、少し狭くしたところ、激しい放電が起きました。

 あとがき
 30度を超える日があったかと思えば、雪が降るかもしれないという寒い天気になり、締め切った室内で実験を行うことになりました。このコンデンサの容量は、これまでの平面コンデンサの倍以上の容量があると予測され、スイッチを入れる手が震えてしまいました。実際に発生した放電も、これまでに見たことのない激しさで、これは感電するわけにいかないと気を引き締めることになりました。コンデンサの威力を確認し、さて、次の実験を行おうと思ったのですが、オゾンのせいでしょうか。気持ち悪くなり、実験を止めました。
 今回のコンデンサに、アルミホイルを、もう2枚、加えると、理論的には更に倍以上の容量を持つコンデンサが製作できると思います。(絶縁破壊が起きなければ、誘電体の厚さが半分、面積2倍、合わせて4倍?)しかし、現在でも、かなり強力ですから、作らないほうが賢明かもしれません。
 この情報を元にコンデンサを作られる方は、危険を覚悟で自己責任で、お願いします。放電実験では、有毒なガスが発生しますので、換気に注意してください。問題が起きても責任は負いかねます。

2004/04/19 静電誘導の実験

 静電誘導において物体の厚さは影響を及ぼすのかを調べるために、実験を思いつきました。
 写真のように、円板のアルミ板は、12枚ですが、この上にもう1枚ずつ重ねたものと比較します。多少の違いがあるとはいえ、これにより、厚さが2倍のものと比較できるわけです。
羽
 静電誘導発電機を使い、電気が一定の電圧に達するまでの時間で比較しようと考えたのですが、問題が発生しました。玉ギャップにおける放電の時間間隔で比較しようと考えたのですが、既に、人の計測できる間隔ではありません。ギャップの距離を広げると放電が起きず、狭くすると連続的な放電になり、数えることができません。
 対策として考えられるのは、モーターの回転数を落とすこと、コンデンサの容量を増やすことです。モーターの回転数を落とすことには魅力を感じませんので、コンデンサのパワーアップを図ることにしました。

 あとがき
 この実験を思いつくまでに、数ヶ月。しかし、気づいてみれば、単純なことでした。(笑)
 ずっと考えていたのは、板と丸棒(静電誘導発電機一号機で使った方法)や、四角棒の比較でした。しかし、これで問題になるのは、質量の違いです。薄い板と棒では、重さが全く異なります。そのため、円板の回転速度が異なり、その影響による発電量の違いを無視できないだろうと考えたのです。スピードコントロールモータを使うとなると金が掛かるし、せめて回転数だけでも知ることはできないか。それなら、パソコンのCPUファンの表示を利用できないかなどと、妙な方向に考えがいっていたのでした。(笑)

2004/04/12 静電誘導の疑問

 静電誘導発電機に関して、以前から、課題として考えているのは、静電誘導を効率的に行うためには、どのような形状の組み合わせが良いのかということです。
静電誘導
 左の板が、+に帯電しているとき、右の物体は、どのような形状が良いのかという問題について、以前から文献を調べたりしているのですが良いものが見つかりません。図のような単純な組み合わせであれば、電気の本の中の、コンデンサについての部分をみれば良いのですが、それでも、左の板と右の物体は、非対称であることから、そのまま当てはめることができるのか疑問です。左の板に誘導された右の物体の電荷により、左の板の電荷の分布が変化し、それにより、右の物体の電荷が変化しないのか。厚さは、誘導される電気の量に影響を及ぼすのか。断面が四角形と円では違うのかなど疑問だらけです。さらに、誘導された電荷が空気中に逃げないようにするには。右の物体が動くことは関係するのかなど、疑問はきりがありません。
 理論など実験の前では霞んでみえるさ(笑)と、実験方法を考えたりしているのですが、これも、いまひとつ、これだというものが、思いつきませんでした。
 精度の良い測定器や実験道具を揃えて実験できれば、悩むことはないのですが、財布がそれを許しません。手作りの実験道具の問題は、精度がでていないことで、比較するものの条件を揃えることができないのです。
 いろいろ考えていたのですが、昨日、ひとつの実験方法を思いつきました。

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