静電誘導発電機による放電
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静電誘導発電機とは
発電の原理
円盤には、灰色で示したアルミ棒が貼り付けてあり、左回りに回転します。
中心にある青の線はブラシで、これは、回転せず固定され、図の位置に来たアルミ棒に接触します。
黄色と赤色は、アルミの板で、青い線で示した電線で接続されています。
1 黄色の板とアルミ棒の部分について。左右に位置する帯電した板により、電荷を持たなかった灰色のアルミ棒の左右に電気が誘導されます。
2 円盤が回転し、ブラシと離れることにより、アルミ棒は電気を帯びたままになります。
3 赤色の板に、帯電したアルミ棒が接触すると、電気が板に移ります。これには、電荷は表面に現れるという性質を利用します。
4 1~4の動作により、黄色の板には、最初よりも多くの電気が溜まります。それにより、灰色のアルミ棒に誘導される電気も増加します。この繰り返しにより、加速的に発電量が増えていきます。
構造
今回の誘導発電機の構造は、アクリルの円盤に24本のアルミ棒が固定され、単3乾電池2本を繋いだモーターにより回転します。
ブラシには導電性のゴム、電極の板は1㎜のアルミ板を利用しています。
ベースにアクリルを用いているのは、絶縁のためですが、見た目が良いというのもあります。
測定器、コンデンサ
測定器
左の写真は、玉ギャップによる測定器です。二つの玉の間に火花が散ることで、高電圧が発生していることがわかります。
右の写真は、玉ギャップの代わりに、ネオン管を使った測定器です。こちらは、ギャップに火花が散ると共に、ネオン管が光ります。
基本的に、二つの電極に一定の隙間ができるようにすれば、測定器の完成です。写真のものは、アクリルのベース、軸受けのようなもの(たぶん、パイプを入れて、ハンガー掛けや、カーテンレールのように使うと思われる物)にネジ穴を開けたもの、ステンレスの軸に鋼球を付けたもの、軸を固定するためのネジで構成されています。絶縁のために、ステンレスのパイプには、ビニールテープを巻いています。
玉にこだわったために、ステンレスのパイプに鋼球をはんだ付けしましたが、これは、なかなか難しい作業なので、単なる棒の先端を丸く削ったほうが良いかもしれません。学術論文のデータにするわけではありませんから、自分のデータとの比較ができれば十分です。
また、玉ギャップの代わりに、棒ギャップにしても、良いでしょう。
平面コンデンサ
ライデンビンのコンデンサは、便利なのですが、高電圧には耐えられないようです。そこで、ライデンビンの代わりになる平面コンデンサを紹介します。
大きなコンデンサを作ると、非常に危険です。当然のことながら、責任は負いかねますので、自己責任でお願いします。
30cm×35cmのアクリルの板、20cm×25cmのアルミ箔を1枚、9cm×25cmのアルミ箔を2枚用意します。
アクリル板の中心に、20cm×25cmのアルミ箔を置きます。余白が5cmできるはずです。アクリルが帯電していると、アルミ箔がくっつきますから、注意してください。アルミ箔の四隅を切り落として、尖りをなくします。これについて、効果のほどはわかりませんが、本に丸くするとあるので、それに従いました。アルミ箔をテープで止めます。アルミ箔の辺は、テープでしっかり止めておくほうが良いと思われます。アクリルの四隅に、ゴム板などを貼り、足にしたほうが、扱いやすくなります。
ここで、裏返し、残り、2枚のアルミ箔を置きます。静電気で貼りつきますから、固定する必要はないと思いますが、簡単にテープで止めておいても良いでしょう。このアルミ箔の置き方により、コンデンサの容量を変化させることができるので、完全に固定しないほうが、いろいろな実験に使えます。
様々な実験
イオンクラフトを繋ぐと
コンデンサを繋ぎ、イオンクラフトを接続すると、イオンクラフトは、振動を始めます。これは、発電機の振動が伝わっている可能性もありますが、電気的な現象によるものかもしれません。この程度の電圧では、浮かび上がるだけの力にならないようです。
水の実験
アルミの皿に水を入れ、一方の電極を繋ぎます。
そして、もう一方の電極を繋いだ玉ギャップを近づけると、水が山のように盛り上がり、火花が飛んで、山が消えます。しばらくすると、再び、山ができ、火花が散ります。
水が引き寄せられる様子は、なかなか興味深いものです。蛇口から、流れる水に、電極を近づけるのも面白いです。
イオンクラフト式モーター
上の写真は、イオンクラフト式モーターです。
電線とアルミ箔の距離を3mm程度にしたものを繋いでみました。
両端子を接続すると、若干、動きますが、振動の影響かもしれないと感じられる程度です。しかし、片側だけにすると、15度から30度くらい傾きます。これは、イオン風というより、クーロン力の影響かもしれません。
同様に、10mmでも、傾きます。こちらは、30度より、大きく傾きます。不思議なことに、片側の端子を外し、端子に近づけると傾きます。接触すると、傾きが収まります。
電線とアルミ箔の距離が15mmでも、同様に現象が発生します。
次に、片側を同じ極にしたタイプで実験してみました。普通のイオンクラフト式モーターでは、電線とアルミ箔は一対で異なる極性にし、二つの羽の電線の同士、アルミ箔同士を接続していますが、これは、電線とアルミ箔を接続しています。
電線とアルミ箔の距離が12mmのもので、実験したところ、揺れる現象が発生しました。また、片側の端子だけを接続した場合、上記と同様の現象が発生しました。
この現象の説明のため、A、Bは、モーターの2つの端子。A'、B'は発電機の2つの端子とします。AとA'は接続されています。BとB'が離れている状態では、モーターの傾きはありません。BにB'を近づけると傾きだし、接触すると、傾きは収まります。
ひとつの仮説は、片側の端子のみを繋いだ場合、フレーム部分も同じ極性に帯電し、斥力が生まれ、別の端子も繋ぐと、フレームは電気的に中性になり、フレームとの間に発生した斥力が失われるというものです。しかし、これでは、BとB'が近づいたときに力が生まれるという部分が説明できません。
不思議な現象です。
この実験では、モーターと発電機を繋ぐ電線を人が持っています。そのため、人が電気の通り道になり、この現象を引き起こしている可能性もあります。
放電
静電誘導発電機で、もっとも単純で興味深いのは、放電の様子を見ることです。上記の写真をクリックすると、その様子を見ることができます。
文献他
ホームページ
・Dirod Electrostatic Generators
文献
・「静電気の話」(A.D.ムーア)
・Electrostatics: Exploring, ...・・・静電気の話の原著
・Homemade Lightning: Creative Experiments...・・・ウィムスハースト発電機の作り方