不思議な物

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2003/08/18 イオンクラフトを繋ぐ

 天気が悪いためか、発電機の調子がよくありません。推測ですが、発電機に、ほこりがたまり、天気が悪い日は、ほこりが水分を含んで、電気が漏れていくのではないかと思います。

 イオンクラフトを繋ぐと
 コンデンサを繋ぎ、イオンクラフトを接続すると、イオンクラフトは、振動を始めます。これは、発電機の振動が伝わっている可能性もありますが、電気的な現象によるものかもしれません。この程度の電圧では、浮かび上がるだけの力にならないようです。

 水の実験
 アルミの皿に水を入れ、一方の電極を繋ぎます。
 そして、もう一方の電極を繋いだ玉ギャップを近づけると、水が山のように盛り上がり、火花が飛んで、山が消えます。しばらくすると、再び、山ができ、火花が散ります。
 水が引き寄せられる様子は、なかなか興味深いものです。蛇口から、流れる水に、電極を近づけるのも面白いです。

イオンクラフトモーター
 イオンクラフト式モーター
 上の写真は、以前、紹介したイオンクラフト式モーターの2号機です。
 電線とアルミ箔の距離を3mm程度にしたものを繋いでみました。
 両端子を接続すると、若干、動きますが、振動の影響かもしれないと感じられる程度です。しかし、片側だけにすると、15度から30度くらい傾きます。これは、イオン風というより、クーロン力の影響かもしれません。
 同様に、10mmでも、傾きます。こちらは、30度より、大きく傾きます。不思議なことに、片側の端子を外し、端子に近づけると傾きます。接触すると、傾きが収まります。
 電線とアルミ箔の距離が15mmでも、同様に現象が発生します。

 次に、片側を同じ極にしたタイプで実験してみました。普通のイオンクラフト式モーターでは、電線とアルミ箔は一対で異なる極性にし、二つの羽の電線の同士、アルミ箔同士を接続していますが、これは、電線とアルミ箔を接続しています。
 電線とアルミ箔の距離が12mmのもので、実験したところ、揺れる現象が発生しました。また、片側の端子だけを接続した場合、上記と同様の現象が発生しました。

 この現象の説明のため、A、Bは、モーターの2つの端子。A'、B'は発電機の2つの端子とします。AとA'は接続されています。BとB'が離れている状態では、モーターの傾きはありません。BにB'を近づけると傾きだし、接触すると、傾きは収まります。
 ひとつの仮説は、片側の端子のみを繋いだ場合、フレーム部分も同じ極性に帯電し、斥力が生まれ、別の端子も繋ぐと、フレームは電気的に中性になり、フレームとの間に発生した斥力が失われるというものです。しかし、これでは、BとB'が近づいたときに力が生まれるという部分が説明できません。
 不思議な現象です。
この実験では、モーターと発電機を繋ぐ電線を人が持っています。そのため、人が電気の通り道になり、この現象を引き起こしている可能性もあります。

 雑感
 静電誘導発電機についての記述がある書物を見つけました。
「静電気の事典」
 これには、ウイムスハースト静電発電機(Wimshurst electrostatic generator)に関する記述があります。ただし、これを読んでも、どうして、電荷が増大していくのかが理解できません。私が静電誘導に関して、疑問に思うのは、次の点です。
・孤立している中性の導体に、+、-を同時に近づけると、片方の極だけを近づけるときに比べて、2倍の電荷が誘起されるのでしょうか。
・誘起される電荷量は、距離に関係なく、元の電荷量と等しいのでしょうか。いろいろな書物を調べてみましたが、アースされたものでは、同じであるかのように書かれていますが、本当でしょうか。
・アースした場合としない場合では、上記の2項目は異なるのでしょうか。
・誘起される電荷の分布は、どうのようになるのでしょうか。

 県立図書館、市立図書館、国立大学の図書館に行ってみましたが、どこも、大型の書店より、電気関係の本が少なくて、がっかりしました。

 さて、私が製作したのは、ダイロッド静電発電機(dirod electrostatic generator)と呼ばれるようです。考案者の訳本では、違う名で紹介されていたようにも思いますが、日本語の発音の違いでしょう。
 両者の利点を持ったオリジナルの構造の発電機を考えましたので、いずれ、2号機として製作してみたいと思っています。狙い通りの物ができれば良いのですが。
 次回は、使い捨てカメラを使った高電圧発生装置についてです。

2003/08/11 現象

 現在、前回のものを改悪して、実験を行っています。(笑)
 ベルト駆動によるものは、回転数とトルクの関係が程良いのか、具合が良かったのですが、ベルトの寿命が短いのが難点でした。そこで、もう一度、ダイレクト駆動の構造にしています。この構造は、モーターの軸に取り付ける部品の精度が悪いため、円板が正確に固定されず、回転のブレが大きくなり、能力が落ちるのですが、メンテナンスを優先しました。
 また、誘導部とコレクタ部の一体化に付いても、効果が疑問であったため、元に戻しています。

 誘導部とコレクタ部の一体化
 前回、一体化により、発電量が上がったように書きましたが、何度か実験してみると、それほど、意味のあるものでもないように感じます。
 一体化により、確かに発電量はアップしましたが、これは、一体化による直接の効果というよりは、効率の良いブラシの位置が広くなり、調整しやすくなったためではないかと思います。言い換えれば、ブラシの位置さえ効率の良い位置に調整できれば、一体化の効果はないかもしれません。
 一体化の利点は、最初に述べたように、構造を簡単にできる点だと思います。ただし、これが拡張性がなくなるという欠点にもなるのですが。

 玉ギャップの間には
 コンデンサを繋がない場合、玉ギャップの間では断続的な放電が起きます。この間に、糸や軽い紙を入れると、放電に合わせるかのように、二つの間で振動します。

 発電機の音
 発電機の音を注意深く聞くと、電気が溜まってくると、音が違ってきます。感覚的には、回転数が落ちてくるような感じです。そして、放電が起きると、元の音に戻ります。おそらく、電気が溜まることにより、回転に対して斥力が働いてくるのだと思います。

 臭い
 鉄臭いような臭いが、強くなってきました。モーターが単独で回転するときにも感じる臭いですが、それが、かなり、きつくなってきました。これが、オゾン臭なのでしょうか。それとも、何かしらのイオンの臭いでしょうか。オゾンは生臭い臭いだと聞いていますので、少し、違う気もします。

 暗闇での実験
 暗闇で実験を行うと、新しい発見もあります。電圧が高くなってくると、誘導部のブラシから火花が発生しているのを見ることができます。

 誘導部のブラシ
 誘導部の2つのブラシは、同時にアルミ棒に接触したほうが、発電量が多くなるような気がします。

 放電の合唱
 平面コンデンサと、2つの極、玉ギャップの3箇所に、異なる広さの隙間を設けて、発電機を動かすと、微妙にタイミングが異なりながら、放電が起こります。

 平面コンデンサの上に画鋲の橋
 平面コンデンサの2つの極の間に、画鋲の橋を架けます。  2つの極との間にのみ、隙間を空けると、定期的に放電が起こりますが、画鋲の間に、いくらかの隙間を空けて、実験すると、最初に何度か放電した後、放電が見られなくなることがあります。

 パソコンの異常
 パソコンのある部屋で実験を行うと、USBマウスが認識できなくなることがありました。また、電源を切っているときに、実験を行ったのですが、次にパソコンを起動しようすると、エラーが発生して、起動できなくなることもありました。
 イオンクラフトの実験でも、発生した異常ですから、このような高電圧を扱う場合は、パソコンから十分に離れた場所で行う方が良いようです。


 雑感
 いろいろ実験を行ってくると、この発電機の構造の欠点が見えてきます。一番の欠点は、放電してしまうと、誘導部の電荷が消えてしまうことです。これを補うためには、もう、ひとつの発電機を用意し、誘導部の電圧が一定になるようにしてやれば良いと考えられます。(一体化の欠点は、これができないことです)
 この点、ウィムズハースト(ウィムスハースト?)発電機の構造は、実に巧みです。
 この発電機について、いろいろ調べているのですが、以下に紹介するページの他に、あまり、有用なページを見つけることができませんでした。書籍についても調べてみましたが、紹介している書籍すら見つかりません。どなたか、詳しい説明のあるページや、書籍などを教えていただけないでしょうか。

ウィムズハースト発電機・・・お勧め
新展示「静電気マシン」「トランス」製作報告

2003/08/04 平面コンデンサ
 発生する高電圧により、感電や精密機器の誤動作が起きる可能性があります。万が一、問題が発生しても、責任は負いかねますので、自己責任でお願いします。

 コレクタ部と誘導部を一体化
 誘導部の板と、コレクタ部のアルミ紙を、アルミ紙(40mm×100mm)で、直接、繋いで、実験を行ってみました。追加したアルミ紙は、円盤の下にある誘導部のアルミ板から、コレクタ部の下にあるアルミ紙まで覆い、この部分に来たアルミ棒から、電気を奪うと共に、電荷を誘導する役目を果たします。
 実験は、コンデンサ、玉ギャップを繋いで行い、1回目の放電から、3回目の放電までの時間で比較します。つまり、放電間隔の2回分で比較します。
 結果、追加前は、70~75秒、追加後は、72~93秒でした。
 ほぼ、誤差の範囲ということで、変化はないといえます。ただし、追加の方法は、紙をクリップで留めるだけという接触が、あまり、よくない条件ですから、しっかりした物を製作すれば、発電量の増加に効果があるかもしれません。
 この実験でいえることは、コレクタ部と誘導部を一体化しても、少なくとも、同等の発電量にはなりそうだということです。これが意味するところは、発電機を、もっと簡単にできるということです。

 今度は、円盤の右と左を別の1枚のU字型に曲げたアルミ紙で覆い、一枚の紙で、誘導子とコレクタの役目をさせる実験を行ってみました。ただし、ブラシの固定が必要なので、これまでの誘導子とコレクタもあります。
 結果、50秒程度と、発電量の増加が見られました。これは、電気を溜めるアルミ部分の面積が増えたためか、あるいは、U字型の構造が効率よく、アルミ棒から電荷を奪うためと考えられます。

 平面コンデンサ
 ライデンビンのコンデンサは、これまで、よく役立ってくれましたが、高電圧が掛かった場合に、ミシミシと音をたてることから、限界を感じました。
 ライデンビンに代わり、平面コンデンサを作り、こちらで、実験を続けることにしました。
 この作り方は、「静電気の話」(A.D.ムーア)に出てくるものと、ほぼ同じです。著書では、アルミの板を使っていますが、私は、予算の都合で、アルミ箔を使っています。
平面コンデンサ断面図  平面コンデンサ

 作り方
 大きなコンデンサを作ると、非常に危険です。当然のことながら、責任は負いかねますので、自己責任でお願いします。
 30cm×35cmのアクリルの板、20cm×25cmのアルミ箔を1枚、9cm×25cmのアルミ箔を2枚用意します。
 アクリル板の中心に、20cm×25cmのアルミ箔を置きます。余白が5cmできるはずです。アクリルが帯電していると、アルミ箔がくっつきますから、注意してください。アルミ箔の四隅を切り落として、尖りをなくします。これについて、効果のほどはわかりませんが、本に丸くするとあるので、それに従いました。アルミ箔をテープで止めます。アルミ箔の辺は、テープでしっかり止めておくほうが良いと思われます。アクリルの四隅に、ゴム板などを貼り、足にしたほうが、扱いやすくなります。
 ここで、裏返し、残り、2枚のアルミ箔を置きます。静電気で貼りつきますから、固定する必要はないと思いますが、簡単にテープで止めておいても良いでしょう。このアルミ箔の置き方により、コンデンサの容量を変化させることができるので、完全に固定しないほうが、いろいろな実験に使えます。

 ライデンビンの代わりに、平面コンデンサを使ってみましたが、効果は、はっきりとわかります。これまでより、強い火花が、短い間隔で発生します。容量が増えたことは、当然として、電気の漏れが少なくなったと思われます。

 実験
 平面コンデンサを繋いで、発電機を動かしてみました。
 火花が発生するたびに、アルミ箔が震える様子を見ることができます。また、平面コンデンサには、ワニ口クリップの端子を接触させなくても、動作します。火花が発生するとき、ワニ口クリップとアルミ箔の間でも火花が発生し、電気が流れます。
コンデンサに隙間を設けて接続した場合  コンデンサに隙間を設けて接続した場合
 写真をクリックすると、wmv形式の動画を見ることができます。ブラウザによっては、リンク先を保存して見て下さい。左は、 コンデンサに隙間を設けて接続した場合 (wmv 2.22MB)で、右は、 コンデンサに隙間を設けないで接続した場合 (wmv 2.64MB)です。
 コンデンサに隙間を設けずに接続した場合の映像は乱れています。これは、誘導発電機の影響ではなく、カメラの不具合のためです。また、飛行機の騒音が喧しいので、音量に注意してください。火花の様子について、映像と音が同期していない部分があるのは、映像の変わり目に火花が散ったためと思われます。また、編集された部分により、火花の間隔が異なるのは、途中で電池を交換したためです。

 雑感
 初期の実験では、ブラシの汚れの影響が大きかったのですが、性能が上がり、電圧が高くなってくると、多少の汚れは問題ではなくなります。これは、電圧が高くなり、多少の絶縁物があろうと超えてしまうためか、あるいは、火花により、導電性の皮膜が作られるのか、そのようなことが原因であろうと推測されます。
 また、天気の影響も、ほとんど受けず、湿度が高くても、発電します。ただし、やはり、天気が良いほうが調子は良いようです。
 ここまで、強力になってくると、ちょっとしたことで、感電してしまいます。絶縁体のゴムであっても、表面が汚れていれば、全く意味がありません。電線のビニールの絶縁は、ないに等しい状況で、触れば感電します。汗は大敵で、非常に感電しやすくなります。
 次回は、発電機を動かすことで見られる現象についてです。

2003/07/28 簡易検電器
 発生する高電圧により、感電や精密機器の誤動作が起きる可能性があります。万が一、問題が発生しても、責任は負いかねますので、自己責任でお願いします。

 改良の結果、感電すると、かなりの衝撃を受けるようになりました。危険な実験ですから、十分に注意して行ってください。また、精密機器への影響も考慮しなければなりません。パソコンなどは、誤動作の恐れがあります。特にADSLは、切断される可能性があります。

 誘導発電機を組み立てなおすことで、発電量が多くなり、見栄えも多少良くなりました。
誘導発電機2
 改良点は以下の通りです。
・ブラシをセロテープで仮止めしていたのを、ネジで止めるようにした。
 これは、効果が感じられます。仮止めでは、接触が悪かったと考えられます。
・アルミ棒を両面テープで固定した。
 テープで貼り付けていたのでは、微妙な振動が悪影響を及ぼしていたのかもしれません。また、テープの粘着部分が導体として、電気の通り道になっていた可能性もあります。
・コレクタ部分の板とアルミ棒の距離を狭くした。
 コレクタ部に移る電荷が増えたかもしれません。
・ブラシは、回転の妨げにならないように軽く接触するようにした。
 回転速度が上がり、発電量が増したように感じます。

 簡易検電器
 導電性の糸を束ねて、簡易検電器を作ってみました。これを、電気が蓄えられた場所に繋ぐと、糸が花束のように広がります。玉ギャップでは、一定の電圧になったことしかわかりませんが、これの場合、電気が溜まっていく様子がわかります。
簡易検電器

 何が起こるか確かめよう
 誘導発電機、ライデンビン、玉ギャップ、簡易検電器を接続して実験です。今回の目的は、火花を散らすことではなく、電圧が高まったときに、どのような現象が起きるかを調べます。
 運転開始、約1分後、簡易検電器が広がり、ベースに部分に接触し始めます。これは、イオンクラフトに利用した電源でもみられる現象です。
 約2分後、ライデンビンから、ミシミシという音が聞こえてきます。アルミ箔から、放電か、コロナが発生していると思われます。
 5分後、実験停止。ライデンビンから音が聞こえます。玉ギャップを近づけると、3㎜程度のギャップで、火花が発生し、ライデンビンからの音が止みました。

 この実験で、ライデンビンの表面にあるアルミ箔から、電気が漏れ出している可能性が考えられました。そこで、コップをもう一つ用意し、外にかぶせることで、空気に触れる部分を少なくしました。これにより、ライデンビンのアルミ箔は、端子部分のみが、表面に出ていることになります。
 この効果については、不明です。端子部分から、ミシミシという音が出ます。

 コンデンサ(ライデンビン)の役割
 誘導発電機の改良と、こつを掴んだことにより、ほぼ、毎回、発電させることができるようになりました。玉ギャップで、1㎜程度の電圧であれば、ほぼ、確実に発電できます。発電の妨げとなるのは、ブラシとアルミ棒の接触部分の汚れです。この部分の汚れさえ、取り除けば、ほぼ、同じ動作が期待できます。
 発電が安定してきたことにより、コンデンサのない状態での実験を行ってみました。
 結果、火花は見えませんが、火花が発生しているような、パチパチという音が聞こえます。ここで、ネオン管の出番です。予想通り、光は弱いものの、点滅が見られます。1㎜程度のギャップの場合、点滅の間隔は、1秒に数回程度と、かなり、速いものです。ギャップを大きくすると、点滅の間隔が長くなります。

 この実験により、コンデンサの役割が推測できます。
 誘導発電機は、コンデンサの有無に関わらず、同じ発電量を持っていると仮定します。コンデンサがない場合、発生した電気は、すぐに、玉ギャップから放電されるため、火花は弱く、連続したものになります。コンデンサがある場合、発生した電気は、コンデンサに蓄えられ、一定の電圧に達したときに、一気に流れ、強い火花が見えると考えられます。
 また、コンデンサがない場合に、連続して高い電圧が得られるともいえます。
 つまり、高い電圧を連続して得たい場合、コンデンサはない方がよさそうです。火花が見えるような多くの電流を得たい場合は、コンデンサがいるようです。
 電荷をQ[C]、静電容量をC[F]、電圧をV[V]とした場合、
  Q=CV
という式がありますが、この実験の様子と一致します。コンデンサがない場合、Cは小さいので、すぐに放電する電圧に達してしまいます。コンデンサがある場合、Cは大きいので、放電する電圧に達するのに時間が掛かります。放電のとき、十分に電荷が蓄えられていますから、強い放電となります。
 最初の実験で、コンデンサがないと発電が見られなかったのは、発電が起きていなかったのではなく、火花が、あまりに弱すぎて、気づかなかったのかもしれません。

 ここで、補足しておきますが、先の説明は、時間当たりに溜まる電荷が同じであると仮定した場合です。実際には、電圧が高いほうが電気の溜まり方が良いと思われますから、もっと、複雑な式が必要になります。誘導子の電圧に対して、誘導される電荷の量。アルミ棒によって、運ばれた電荷が、どのくらいの割合でコレクタに集められるのか。損失の量。これらの式により、理論的な発電量や、電圧の変化が求められると思います。

 雑感
 天気がよくなったせいか、非常に調子よく発電ができています。ギャップが3mm程度(おそらく、10kV)であれば、コンデンサを繋がない場合は、連続した放電が見られ、よく見ると、目で確認できます。コンデンサを繋いだ場合は、定期的に強い火花が見られます。
 直面している問題は、ゴムベルトの耐久性が非常に悪いことです。輪ゴムでは、累積で20分も回していれば、使い物にならなくなります。模型に使うゴムでは、もう少しましですが、それでも、そんなに長持ちしません。回転数が上がったことが影響しているのか、あるいは、高電圧に帯電することによる影響でしょうか。工業用の伝動ベルトが入手できれば良いのですが、個人では難しいです。何か良い方法はないものでしょうか。

 次回公開の改良により、感電は避けられなくなりました。油断すると、即、感電です。また、発電能力が上昇することにより、天気や汚れが、あまり、問題ではなくなります。速報として、20日頃の映像を公開していますが、これは、次回の改良後のものです。

2003/07/22 玉ギャップ測定器
 発生する高電圧により、感電や精密機器の誤動作が起きる可能性があります。万が一、問題が発生しても、責任は負いかねますので、自己責任でお願いします。

 左の写真は、玉ギャップによる測定器です。二つの玉の間に火花が散ることで、高電圧が発生していることがわかります。
 右の写真は、玉ギャップの代わりに、ネオン管を使った測定器です。こちらは、ギャップに火花が散ると共に、ネオン管が光ります。
玉ギャップ測定器  ネオン管測定器
 どちらも、写真では見にくいのですが、二つの玉、あるいは、玉と線の間に、隙間があり、一定の電圧になると、火花が散ります。隙間が大きいときに、放電が起きると、電圧が高く、狭いときは、電圧は低いといえます。ただし、狭いときに、高い電圧が掛かっている可能性はあります。
 接続する誘導発電機は、徐々に電圧が上がり、放電により、電圧が下がりますから、一定の隙間に固定し、時間当たりの放電回数を数えれば、発電量の比較ができます。
 また、放電が見られる最大ギャップ(隙間)を比較すれば、最高電圧の比較ができます。

 作り方
 基本的に、二つの電極に一定の隙間ができるようにすれば、測定器の完成です。写真のものは、アクリルのベース、軸受けのようなもの(たぶん、パイプを入れて、ハンガー掛けや、カーテンレールのように使うと思われる物)にネジ穴を開けたもの、ステンレスの軸に鋼球を付けたもの、軸を固定するためのネジで構成されています。絶縁のために、ステンレスのパイプには、ビニールテープを巻いています。
 玉にこだわったために、ステンレスのパイプに鋼球をはんだ付けしましたが、これは、なかなか難しい作業なので、単なる棒の先端を丸く削ったほうが良いかもしれません。学術論文のデータにするわけではありませんから、自分のデータとの比較ができれば十分です。
 また、玉ギャップの代わりに、棒ギャップにしても、良いでしょう。

 実験
 玉ギャップによる測定器を使って、改良前と改良後の比較を行っていくことで、装置の性能を上げていくことにします。

・アルミ棒の数を、更に6本増やし、24本にしました。
 火花が散る間隔が短くなったので、少なくとも、発電量に効果があるようです。

・ダイレクト駆動について
 24本にした後、しばらく、実験を行っていくうちに、スムーズに回転しなくなりました。
 これは、加工精度の悪い円盤、不均一な荷重分布のため、軸への負担が増したためと考えられます。そこで、試しに、ベルトによる伝動機構から、円盤をモーターでダイレクトに駆動する形にしてみました。
 最初に使用していたモーターでは、予想通り、トルク不足であったため、別のモーターに交換しました。
 その結果、回転数は比較的安定し、発電も確認できたのですが、長雨で湿度が高いせいなのか、発電されないことが多くなりました。
 状況としては、ブラシなどを拭き、綺麗にした後は、発電されるのですが、すぐに、発電がみられなくなります。
 モーターを回すための電線などが、円盤の真下にくるため、その部分から、電気が漏れていく可能性を考え、元の構造に戻すことにしました。

・前回のコレクタ部分への改良について、詳しく調べてみました。
 改良前は、最初に放電してから、3回の放電が見られるまでに、平均60秒掛かりました。
改良後は、平均46秒になりました。効果があるようです。

 雑感
 クリップで、板の間を接続しているのですが、どのように接続するのかによっても、状態が違ってくるようです。例えば、コンデンサへの接続を近い場所から行ったときには、発電が観測できますが、遠い場所から行うと、発電が観測できないこともあります。高電圧のため、一般のビニールで絶縁された電線では、絶縁が不十分なのかもしれません。

 天気の影響も大きいようです。雨の日は、思うように発電しません。アクリルの表面から電気が漏れていくのかもしれません。
 また、ブラシが汚れてくると、発電しなくなります。

 現状の能力
 今回の改良により、玉ギャップが3㎜での放電が見られましたので、10kV程度は発生していると考えられます。ただ、この場合、放電の間隔が1分程度掛かってしまいます。

 この段階では、文頭にある注意書きは必要ありませんでした。次週か、その次の週に公開予定の改良内容により、注意書きが必要なくらいになります。速報として、20日ごろの様子を動画で公開していますので、興味があれば、ご覧ください。
 編集が間に合わなかったので、弱めの火花だけです。また、wmv形式に変換したためか、パチパチという音が聞き取りにくくなっています。オリジナルでは、もう、少し大きな音なのですが、ノイズとして、消されてしまうのかもしれません。確かに、ノイズには違いないのですが、迷惑な仕様です。(笑)

P.S.
 使い捨てカメラを使った高電圧発生装置ですが、1㎜以上のギャップで、放電が観測されました。しかし、不注意で感電した後、電圧が弱くなったのか、ギャップが小さくなってしまいました。教訓として、実験を行うときは、涼しい場所で行うこと。汗をかくと、感電しやすくなります。(笑)

2003/07/14 誘導発電機2
 発生する高電圧により、感電や精密機器の誤動作が起きる可能性があります。万が一、問題が発生しても、責任は負いかねますので、自己責任でお願いします。

 前回、発電は確認できましたが、能力的に満足できるものではありませんでした。
今回は、性能を向上させるための試行錯誤を公開します。

1 円盤に付けるアルミ棒の数を6本から、18本に増やしてみました。12本増やしたわけですが、1本の長さが短くなっているので、単純に3倍になったわけではありません。
 この目的は、電荷を運ぶアルミ棒の数を増やすことにより、時間当たりの発電量を増やすことにあります。
 結果として、なんとなく、発電量が増えたかなという程度で、あまり、実感できるものではありませんでした。電圧を向上させてからでなければ、確認が難しいようです。

 この発電機では、放電やコロナなどにより電気が漏れるまで、電圧が上がっていくはずです。しかし、現状では、放電やコロナは見られません。電気の取り出し方が悪いのか、どこかから、電気が漏れていると考えました。

2 電気を取り出す板を取り付けているネジを金属製のものから、樹脂製のものに交換しました。
 これは、尖った部分から電気が逃げるのを防ぐためですが、この対策も、根本的な解決策ではありませんでした。この対策が生きてくるのは、もっと、電圧が上昇し、コロナ対策が必要になったときのようです。

3 電気の取り出し部分において、十分に、板に電荷が移らないのではないかと考えました。
 対策として、図のように、アルミ箔が貼られた紙を切り、青色で示すように、アルミ棒(灰色)を包み込むようにしました。
コレクタ部分の改良
 結果としては、判断が難しいところです。最初は、逆効果のように感じられましたが、何度か実験を行っていると、効果があるようにも感じます。アルミが薄いせいでしょうか。

 今回に限らず、実験において、測定器がないというのは、改良の効果がわからず、ある意味、無意味な行為になってしまいます。そこで、次回は、簡単な測定器を紹介します。正確な測定ができるわけではありませんが、改良前と改良後の比較には使えるものです。

P.S.
 使い捨てカメラを使って、高電圧を取り出す実験も同時進行中です。こちらは、いずれ、公開します。

2003/07/07 誘導発電機1
 発生する高電圧により、感電や精密機器の誤動作が起きる可能性があります。万が一、問題が発生しても、責任は負いかねますので、自己責任でお願いします。

 写真にあるのが、今回、自作した誘導発電機です。オリジナルの設計なので、様々な問題を抱えています。
誘導発電機  誘導発電機の原理
 発電の原理
 発電の原理を簡単に説明しますが、間違いや不適切な説明があるかもしれません。その場合は、掲示板に書き込んでいただけると嬉しいです。
 円盤には、灰色で示したアルミ棒が貼り付けてあり、左回りに回転します。
 中心にある青の線はブラシで、これは、回転せず固定され、図の位置に来たアルミ棒に接触します。
 黄色と赤色は、アルミの板で、青い線で示した電線で接続されています。

1 黄色の板とアルミ棒の部分について。左右に位置する帯電した板により、電荷を持たなかった灰色のアルミ棒の左右に電気が誘導されます。
2 円盤が回転し、ブラシと離れることにより、アルミ棒は電気を帯びたままになります。
3 赤色の板に、帯電したアルミ棒が接触すると、電気が板に移ります。これには、電荷は表面に現れるという性質を利用します。
4 1~4の動作により、黄色の板には、最初よりも多くの電気が溜まります。それにより、灰色のアルミ棒に誘導される電気も増加します。この繰り返しにより、加速的に発電量が増えていきます。

 構造
 今回の誘導発電機の構造は、アクリルの円盤に6本のアルミ棒が固定され、単3乾電池2本を繋いだモーターにより回転します。
 ブラシには導電性のゴム、電極の板は1㎜のアルミ板を利用しています。
 ベースにアクリルを用いているのは、絶縁のためですが、見た目が良いというのもあります。

 実験の過程
 最初の運転では、発電は確認できませんでした。そこで、過去に製作したライデンビンを接続すると、瞬間的にネオン管の点灯を見ることができました。
 これにより、とりあえず、基本的な動作はしていることが確認できました。

 試しに、コンデンサを接続してみましたが、こちらでも、ネオン管の点灯を見ることができました。

 次回は、性能アップの試みです。
 夏休みに向けて、自由研究のネタを提供しているような。(笑)

2003/07/02 工作機器
 週末を利用して、東京に行ってきましたので、進展はありません。今回の更新は、番外的な内容です。

 削る、切るといった作業を手で行っていると、さすがに、面倒になり、機械を導入しました。購入したのは、東京マルイのCRAFT MANシリーズから、ボール盤、糸ノコ、グラインダーの3台です。それぞれ、2000円から3000円といったところですから、模型用のおもちゃ程度、性能はそこそこです。そのまま、電池で使っていたのでは、使い勝手が悪いので、ACアダプタに接続できるように改造して使っています。予算と、設置する場所がある方は、本格的なものが1万円程度で買えますので、そちらの方が良いでしょう。
 使ってみての感想は、木材やアルミ程度の材料であれば、結構、役に立ちます。材料を加工するときに気づいた点を少々。
・ボール盤は、3㎜のドリルまで対応していますが、問題なく使えるのは、もう少し、小さなドリルまでです。本格的なボール盤は、1万円以内でも買えますが、このような小さなボール盤は、逆に高いので、満足することにしました。(笑)
・アクリルや樹脂を加工する場合は、熱に注意しないと、融けてしまいます。特に糸ノコは、樹脂に刃が食い込んでしまいますので、アルミ板を切るときより、慎重に扱いましょう。
・グラインダーは、安物の割りに良いです。

 さて、東急ハンズに行き、私は、ショックを受けました。(笑)
 大きさ150㎜×150㎜、厚さ3㎜のアクリル板から、直径150㎜の円盤を削りだすのに、何時間も掛けたというのに、東急ハンズでは、350円で買えます。その他にも、苦労して作ったものや、入手したものが簡単に手に入ります。
 秋葉原にも行き、ネオン球や導電性のゴムなど、地方では入手困難な部材を手に入れました。これで、とりあえず、発電機の部品が揃いましたので、組み立てです。

2003/06/23 玉振り発電機
 こちらのページを参考に、玉振り発電機を作ってみました。
ベース材料ベアリング球
 材料は、アクリルの筒、木材、アルミ棒、ベアリング球、銅線です。球は、手ごろな物が見つからなかったので、キャスターに入っていた球を取り出しました。
 左の写真のように、アクリルの筒、アルミ棒を切り、木材には、アルミ棒が入る穴をあけました。
 組み立てると下の写真のようになります。アクリルの筒の中に玉が入っていて、振ると左右に動きます。筒は、外れないようにしていますが、完全に留めてしまうと、筒の中の掃除や実験がやりにくくなるので、適度に固定しています。
 次に、参考にしたページのように、線を巻いて完成です。
組み立て
 ところが、球が小さいためか、思ったように電気が発生しません。そこで、改良(改悪?)してみました。
 アクリルの筒の外側に、2箇所、アルミ箔を巻きました。場所は、球がアルミ棒から離れる場所です。
 また、球の代わりに、アルミ棒を削って、小さくしたものにしました。
改良
 下の写真が、完成品です。木の棒を持ち、中のアルミ玉が左右に動くように振ると、左右のアルミ棒に電気が溜まります。電気が溜まっているかどうかは、アルミ箔に近づけると、アルミ箔がくっつこうとしますのでわかります。十分な電気が溜まれば、ネオン管が点くそうですが、ネオン管を持っていませんのでわかりません。
完成
 これを作ってみたのは、誘導発電機により、電気が発生することを確認したかったからです。現状、まだまだ、改良の余地がある玉振り発電機ですが、発電が確認できたことで、一応、目的は達成できました。
 怪しい文献を読むと、発電機(玉振り発電機ではない)がコロナ包まれ、浮上したとかしないとかというエピソードが紹介されています。そこで、今後の予定は、
・乾電池による誘導発電機の製作
・この発電機で、イオンクラフトは飛ぶか。
・発電機は、浮上するか。(笑)
という道筋で、やっていきたいと思います。道のりは遠いです。

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