ケルビン静電発電機

作成日:2008/09/21 更新日:2008/09/21
ケルビン静電発電機

ケルビン静電発電機は、水滴を落として発電する装置です。

原理
ケルビン静電発電機の原理

ケルビン静電発電機の原理
ケルビン静電発電機の原理は、次のようなものです。
上の容器には、水が入っていて、2つの管を通って流れ落ちます。
このとき、水は、水滴になって落ちるようにして、連なって流れ落ちることがないようになっています。
ノズルから落ちた水滴は、下にある導電性の容器に落ちて溜まります。
管の端にある茶色の部分は、コイル状になった電線で、これは、水にも管にも触れず、ノズル部分を取り囲むように取り付けられています。
電線は、隣の容器に繋がっています。
装置では、わずかですが電荷の偏りがあります。左のコイル部分が+に帯電しているとすると、そこを落ちる水滴は、ノズル部分で-となり、落ちていきます。
-に帯電した水滴が溜まりますから、左下の容器には、-が溜まります。
左下の容器と右のコイルは、電気的に繋がっているため、右のコイルは、-となります。右のコイル部分を落ちる水滴は、+となって落ちていきます。
右下の容器には、+が溜まり、電気的に繋がっている左上のコイルには、最初より、強く+に帯電します。この繰り返しにより、電気が蓄えられていきます。

作り方
用意したもの
  • 100円ショップで購入したMD収納箱
  • 銅線(太さ1mm程度)
  • 適当な水を溜める容器(加工するので、穴を空けられる材質のもの、絶縁材料の方が良い)
  • 水漏れ防止シール(接着面から水が漏れないようにするもの。場合によっては不要)
  • 空き缶2個
  • 発泡スチロール
  • 直径3mm、穴径2mmのアルミパイプ。長さ10cm程度を2本。
  • 樹脂製の棒(10mm×10mm、長さ適当)
  • ワニ口クリップ付きの線 2本

組み立て
  • MDの収納箱を写真のように組み立て、各部材を置けるようにしました。
  • 発泡スチロール(私が用意したのは、惣菜が入っていたもの)を、空き缶より、やや大きめの適当な大きさに切り、絶縁のために、容器と空き缶の下に置きました。
  • アルミパイプを写真のように曲げました。長さは、10cmほどで、先の方を1cm程度、それぞれ逆の方向へ曲げました。
  • 上の容器に穴を空けてアルミパイプを通し、固定しました。私の場合、容器の材質が、やや厚めの柔らかい、ポリエチレンのような材質だったので、差し込むだけで固定できましたが、場合によっては、水漏れ防止シールで固定すると良いでしょう。
  • 銅線をドライバーの持ち手の部分に巻きつけて、コイルを作りました。単2電池に巻いても、ちょうど良い大きさになると思います。
  • 樹脂製の棒を切り、収納箱に接着剤で貼り付けました。
  • コイル状の銅線を、樹脂製の棒に巻きつけて、装置に取り付けました。銅線をMDの収納箱に直接取り付けると、絶縁が不十分かもしれないので、このようにしています。
  • 空き缶とコイルを電線で繋ぎました。
アルミパイプ

アルミパイプ

調整
  • 水が流れ落ちる速さは、連なって落ちる量から水滴になるぎりぎりのところが、コイルの部分にくるくらいが、良さそうです。蛇口か
    ら、水を細く出すと、蛇口付近は水が繋がっていますが、洗面に落ちる付近では、水滴になり、ばらばらになっているのを見たことがあると思います。コイルの
    位置で、水がばらばらになるように調整すると良いように思います。
  • コイルは、ノズルの位置より、下にしました。この位置関係は調整してみてください。
  • 空気の泡をつぶす

    空気の泡をつぶす

    つまようじを使って調整。
    私は、つまようじを使って、流れる水の量を調整しようとしました。写真のように、容器のアルミパイプの部分に、つまようじを差し込
    むと、水の量を減らすことができます。実際には、流れないほどに少なくするか、普通に流すかぐらいの調整しかできませんでしたが、案外、役に立ちます。
    管に空気が入ると、流れなくなることがあります。このとき、つまようじを差し込んで、空気の泡をつぶして、引き抜くと流れ出します。


  • 水の流れる量は、容器に入れる水の高さで調整しました。
  • アルミパイプは、ゆっくりと慎重に曲げないと折れてしまいます。穴が空く程度であれば、水漏れ防止シールで穴を塞いでも良いと思います。
  • 銅線のコイルが水に濡れないように、コイル内側にペットボトルから切り取った切れ端を筒状にして入れていますが、効果は不明です。
観察
箔検電器を使って様子を見たところ、アルミ箔が開いていき、発電していることを確認できました。
次に、ネオン管を繋ぎ、光る様子を確認しました。ネオン管を繋ぐ場合は、ネオン管の片側は隙間を空けておかないと、電気が十分に溜まる前に電気が流れてしまい、観察しにくいと思います。
・発電する様子を撮影したものの、ネオン管の明るさが足りず、光る様子を撮影できませんでした。
・電気が溜まってくると、水滴が空き缶の口に落ちずに逸れていくようです。コイルに引き寄せられるためか、空き缶と反発するために起きると思われます。

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